壊れかけた記憶、持続する自我
「やっかいな友人」としての高次脳機能障害

壊れかけた記憶、持続する自我
壊れかけた記憶、持続する自我
高次脳機能障害は外見からはわかりづらく、理解されにくい障害である。本書は、高次脳機能障害を負った医師が自らの障害を見つめ生活していくなかで、障害があっても前向きに生きていけること、そして介護・リハビリ等の支援に何が必要なのかを書き記したものである。

高次脳機能障害の実際の姿は、医療の専門家であってもつかみづらく、多くの障害者が無理解な社会の中で理不尽な評価に耐えて前向きに生きようとしている。
脳が壊れるという不運は、脳血管疾患に限らず、この社会では誰もが、いつどこで負ってもおかしくはなく、医療のみならず介護の場でも問題になる場面が急増していくはずの障害である。
この障害を理解した支援のあり方を考え、実効性のある体制を整えていただきたいというのが本書の意図であり、私の願いである。
(本文より)
著者山田規畝子=著
ISBN978-4-8058-3515-9
C3036
判型A5
体裁並製
頁数170頁
発行日2011/8/20
開催地 セミナー講師 会場名 状況 セットコード タイトル名称
開催地
セミナー講師
会場名
販売価格 1,650円 (税込)
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壊れかけた記憶、持続する自我
「やっかいな友人」としての高次脳機能障害
目  次
はじめに
第1章高次脳機能障害を越えて
1高次脳機能障害とはどういった障害なのか
①高次脳機能というもの
外見的に健常者と区別できにくいこと
②障害の現れ方
高次脳機能障害の概観/認知機能異常/構成失行/記憶障害/条件反射としての記憶/認知症との誤解/認知症との大きな相違/低酸素脳症/視覚障害と複視/注意障害/運動機能障害(麻痺)/麻痺側を支えたくなる心理/麻痺した足/平衡機能の異常/嚥下障害/てんかん/てんかんの処方薬/てんかん薬の副作用
③前子ちゃん
2高次脳機能障害とリハビリテーション
①病院から在宅へのリハビリ
病院での身体機能のリハビリ/在宅での身体機能のリハビリ/高次脳機能障害へのリハビリ/認知運動療法/患者にしかわからない自分/当事者不在のリハビリ
②生活へのリハビリ
認知機能障害へのリハビリ/記憶障害へのリハビリ/世の中のスピードについていく/習慣化によるリハビリ/人づきあいのディテールを訓練する/回復に必要な時間経過/脳の回復
③ふつうの暮らし
3障害の受容と無理解
①当事者の障害の受容
障害を受け入れられない患者・家族/家族に知ってもらいたいこと/ひがみという心理/障害者を生きにくくするもの/困った人を生む背景
②周囲の無理解
理解のされにくさが生み出す課題/セラピストの視点/「△△できない人」との決めつけ

~私の想い~
第2章高次脳機能障害者の生活を支える
1生活支援に必要な高次脳機能障害への視点
①高次脳機能障害者の生活を支援するということ
尊厳ということ/思いやりと想像力を磨く
②それぞれの場面で
着衣の介助/片づけ(記憶障害の側面から)/片づけ(注意障害の側面から)/季節に応じた模様替え/食事と介助/むせるということ/外出介助/てんかん発作時の対応/てんかん薬を服用している利用者に接する/服薬の介助で/筆者ができないこと一覧
2私が介護に望むこと
介護保険にもの申す/障害について改めて想像力を磨いてほしい

~私の想い~
おわりに